軍事顧問会社経営の湯川遥菜さんがイスラム国に殺害されたことに対する市民の反応は素早かった。
湯川さんの死亡がきょう未明判明すると、夕方には官邸前に大勢の人々が集まった。フリージャーナリストの後藤健二さんをも見殺しにしてはならないという危機感からだ。
「I’m not Abe」「殺すな」・・・参加者たちは安倍首相の責任を追及するプラカードを手にしながらシュプレヒコールをあげた。
「なんとか後藤さんに生きて帰ってきて欲しい。安倍首相は人質になっていたことを知っていたのに、それを伏せて選挙をした。半年近く時間があったのに何ら解決に動かなかった。安倍さんの責任が大きいと思う」。目黒区在住の会社員女性(30代)は真剣な表情で話した。
板橋区在住の主婦(50代)は、「見殺しにするな」と自分で書いたプラカードを持って駆け付けた―
「やっぱり明らかに見殺しだ。人命第一と言いながら、テロには屈しないと言う。いちいち相手を刺激するようなことを一国の首相が言うのは考えられない。安倍さんの言葉によって(湯川さんは)殺された」。
ところが安倍首相は、事件を奇貨として軍国主義化を進めようとしているフシがある。首相はけさ、NHKの日曜討論で「今回の事件のように邦人が被害にあった時に自衛隊が出動できるように法改正して・・・」と発言した。
明日(26日)から始まる通常国会に安倍内閣は「自衛隊の海外派遣恒久化法案」を提出する。