【ベネズエラ・カラカス発】ゴミ袋が生活の糧 食べて行けない人々のマドゥロ離れ

男性はゴミ袋の中から食べ物を見つけると、すぐに手に取って口の中に入れた。=20日、カラカス市内 撮影:田中龍作=

男性はゴミ袋の中から食べ物を見つけると、すぐに手に取って口の中に入れた。=20日、カラカス市内 撮影:田中龍作=

 すべての労働者が食べてゆけるはずの社会主義国でゴミ袋を漁る人々の姿を見かけた。

 地元メディア関係者によると珍しくも何ともない光景になっている、という。

 ハイパーインフレで食料を手に入れるのが困難になった結果、食べて行けない人々が層となって現れたのだ。

 物乞いの姿は諸外国で時おり見かける。だがゴミ袋に手を突っ込んで食べ物を漁る姿は、そう見かけない。

 アジア最貧国のバングラデシュやパキスタンなどでも見たことがない。

 南米で一、二位の豊かさを誇っていたベネズエラがアジア最貧国以下のレベルにまで貧しくなったのである。

ゴミ袋と共に暮らす人々もいる。=20日、カラカス市内 撮影:田中龍作=

ゴミ袋と共に暮らす人々もいる。=20日、カラカス市内 撮影:田中龍作=

 ゴミ袋の中に衣類や装飾品があった場合、それらを安く売るのだそうだ。ゴミ袋がベネズエラの最貧困層にとって生活の糧になっていることは確かなようだ。

 ゴミ袋を漁る人々の姿を見かけるのは、マドゥロ大統領の支持層が多く住むダウンタウンだ。

 貧困層はマドゥロ大統領の金城湯池だったが、最近ではマドゥロ離れが進む。

 人々を飢えさせる指導者は人々にノーを突き付けられる。万国共通の法則と思いたい。

夫婦で食料を探す。=20日、カラカス市内 撮影:田中龍作=

夫婦で食料を探す。=20日、カラカス市内 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

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