田中はきょう(3日Saturday)も街頭に出た。戦場取材の資金を募るためだ。「腰が痛い」だのと言っていられない。
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ベネズエラのマドゥーロ大統領が勝利宣言した大統領選挙。
選挙の不正を訴える市民が街に繰り出して抗議すれば、治安部隊はゴム弾や催涙弾を発砲して鎮圧する。夥しい数の逮捕者が出ているもようだ。
米国のブリンケン国務長官は「マドゥーロが勝利したエビデンスがない」との見解を示した。
当然である。ベネズエラは選管までが汚職にまみれている国なのだ。
ジャーナリストを拘束するような国で公正な選挙が行われるはずがない。野党勢力が立ち上がった2019年、田中は現地を取材した。把握できただけでも米国の2つの取材クルーが拘束された。
田中はスモークガラスの取材車から一切降車せず、すべて車内から隠し撮りした。
社会主義国でありながら労働者が残飯を漁る姿。ストリートチルドレンが街でたむろする光景・・・
ベネズエラはロシアが基地を置く国である。キューバミサイル危機(1962年)が示したように、カリブ海周辺地域は、ソ連(現在のロシア)が米国のノド元に刃を突き付けるのに格好の場所だ。
ロシアがベネズエラを手離すはずがない。マドゥーロ政権にとってもロシアは強力な後ろ盾だ。ロシア軍将校を高級ホテルに招いてのパーティーに田中はうまく潜り込んだ。
大卒の労働者が高級チーズを買えず、2017年には餓死者が相次いだ国にあって、高級食材を使った料理や高級ワインがテーブルを彩った。
ロシアがついている以上、国連監視下の選挙など望むべくもない。腐敗したままロシアの属国として、さらに貧しい国となってゆく。
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日本の平和団体が反米の理想国家として崇めたてていた国の現実を田中龍作は伝えてきました。ちなみに田中は反米反露です。