裁判所と司法記者クラブの癒着問い 原告が抗議の退廷

入廷前に記念撮影する原告団。=18日、東京地裁前 写真:筆者=

入廷前に記念撮影する原告団。=18日、東京地裁前 写真:筆者=

 原告が裁判所に抗議して自ら退廷する“事件”が、きょう、東京地裁で起きた。

 「特定秘密保護法は国民の知る権利を侵害し違憲である」・・・フリーランス記者ら43人が、法律の差止めを求めていた訴訟の判決が、きょう、東京地裁であった。

 判決にあたって原告は法廷(開廷前)の写真撮影を申請していた。だが東京地裁は拒否した。

 写真撮影はいつものように記者クラブだけとなった。原告のY氏がいきなり立ちあがった。

 「フリーランスに撮影させないという差別的な扱いに抗議して退廷します」。Y氏が法廷を退出すると5名のフリーランスが続いた。

 「裁判所と記者クラブの癒着だよ(それを問いたかった)」。Y氏は退廷の理由を語る。

 退廷のリーダーとなったY氏は元大手紙の記者だ。裁判所とマスコミの体質を身をもって知っている。

 法廷撮影は記者クラブだけに限られている特権だ。Y氏が指摘するように裁判所と記者クラブとの癒着の産物である。

 

判決後の報告集会。特定秘密保護法の危険性をいち早く街頭で訴えた山本太郎議員は、裁判を傍聴し続けた。=18日、参院会館 写真:筆者= 

判決後の報告集会。特定秘密保護法の危険性をいち早く街頭で訴えた山本太郎議員は、裁判を傍聴し続けた。=18日、参院会館 写真:筆者= 

 裁判所は判決文の提供や数か月前からの期日簿の閲覧など記者クラブに便宜を図っている。

 その見返りに記者クラブは不当判決であっても批判したりしない。

『絶望の裁判所』の著者で元判事の瀬木比呂志氏は「裁判所と記者クラブは利益を共にする」と話す(2014年2月、FCCJ記者会見)。
 
 Y氏はここを問いたかったのである。

 フリージャーナリストは、ありとあらゆる取材現場で著しく不当な扱いを受ける。

 特定秘密保護法の下、官庁などは同法を盾にフリージャーナリストの取材を今以上に制限してくるのではないかと予想されている。

 裁判所は警察、検察と並ぶ取材制限の権化である。特定秘密保護法をフルに活用すれば、都合の悪い事柄をいくらでも隠すことができる。

 裁判所を可視化させようとしたフリーランスの抗議は大きな意味があった。

 フリージャーナリストたちが特定秘密保護法の違憲性を問うた裁判。原告の訴えは却下された。原告団は判決を不服として控訴する方針だ。

    ~終わり~

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