自浄能力なきフジテレビ 人権隠れ蓑に真相隠す

27日付けで辞任したフジテレビ嘉納修治会長(先頭)と港浩一社長。お白洲に引き出される下手人のようだった。=27日、フジテレビ社内 撮影:田中龍作=

経営危機にまで発展した性接待疑惑でフジテレビが、きょう27日、仕切り直しの記者会見を開いた。

記者会だけに限定した前回17日の記者会見が、米国の大株主からも批判を浴びたため、きょうはフルオープンの記者会見となった。

港社長、嘉納会長はじめ5人の重役が記者団の質問に答えた。

■フジはかねてから「(週刊文春で報道されているように)Aプロデューサーが中居正広の性接待に関わったという事実はない」と自らのHPで明らかにしているが、きょうも、その姿勢を貫いた。

田中は質問した。「週刊文春を名誉毀損で告訴しないのか?」と。

港社長は「特定日の関与についてはヒアリングですとか、確認等しましたから、そのことに関しては関与していない」と答えた。Aプロデューサーの関与を否定したのである。

田中は「では(文春を)訴えるんですね」と畳み掛けた。

港社長は「その周辺的な部分に関しては、第三者委員会に委ねたいと思っている」とかわした。

本当にAがやっていないのなら、文春を訴えるべきなのだが。変ではないか。

「Aさんに対して怒りはないのか?」「中居さんを訴えないのか?」…厳しく追及する望月衣塑子記者。=27日、フジテレビ社内 撮影:田中龍作=

■港社長が中居正広のトラブルを耳にしたのは2023年8月である。報告が上がった時、「不同意性交罪と思わなかったのだろうか?」と田中は質問した。

不同意性交罪はすでに施行されている。中居はレイプ犯で、Aプロデューサーはレイプ幇助である。

港社長は「正直、その時はそういう認識は持たなかった」と答えた。田中は呆れて「あなたそれでよく報道機関の社長が務まりますね」と口走ってしまった。

フジテレビは記者会見をオープンで開いたことは開いた。田中は最後にぶつけた-

「この記者会見のやり方、あなたたちの答え方を見ていると、プライバシーとか人権を隠れ蓑にして真相を隠したがっているようにしか思えない。第三者委員会に逃げようとしているにしか見えないんですが」と。

この期に及んでなお真相を明らかにしようとしないフジテレビ。自浄能力はない。

記者会見には400人超の記者、カメラマンが出席した。=27日、フジテレビ社内 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

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