【東電と規制庁】 汚染水問題で非公開面談、柏崎刈羽原発の再稼働には触れず?

面談する田中俊一委員長(左側・手前)と廣瀬直己社長(右側・手前)。報道陣は「頭撮り」だけで退出となった。=28日午前、原子力規制庁 写真:山田旬= 


面談する田中俊一委員長(左側・手前)と廣瀬直己社長(右側・手前)。報道陣は「頭撮り」だけで退出となった。=28日午前、原子力規制庁 写真:山田旬=


 福島第一原発からの汚染水流出で打つ手なしの東電。原子力規制委員会の田中俊一委員長がきょう、東電の廣瀬直己社長を原子力規制庁に呼び事情を聞いた。面談は『非公開』だった。

 約1時間の面談後、廣瀬社長と原子力規制庁の池田克彦長官が、ぶら下がり記者会見に応じた。

 面談に同席した池田長官によると、両者から出た話の概要は以下のようなものだった―

廣瀬社長 → 田中委員長
・作業員の確保が難しくなっている。
・東電全体として人(作業員)を出す。
・必要なコストを思い切ってかけてゆきたい。

田中委員長 → 廣瀬社長
・ドラスティックな改革と長期的なプランで臨んでほしい。
・サイト内の線量を下げてほしい。マスクを着けて作業は能率が悪い。
・4号機からの使用済み核燃料の取り出しは慎重にやってほしい。

 柏崎刈羽原発の安全審査(再稼働)が議題にのぼることはなかった、という。額面通りに受け取ってよいものだろうか。

 池田長官はメモを読み上げながら話した。廣瀬社長は ぶら下がり会見で記者2人の質問にしか答えなかったが、廣瀬社長と池田長官の話は重複する。矛盾点はひとつもない。おそらく規制庁側と東電側で『ぶら下がり会見ではこう答えましょう』と摺合せができているのだろう。

原子力規制庁に呼びつけられた廣瀬社長は、田中委員長への冒頭あいさつで「詳しく述べさせて頂きます」と殊勝だったが…=写真:山田旬=

原子力規制庁に呼びつけられた廣瀬社長は、田中委員長への冒頭あいさつで「詳しく述べさせて頂きます」と殊勝だったが…=写真:山田旬=

 作業員が確保できないために初歩的なミスが相次ぐ。ALPS(多核種除去装置)はトラブル続きでまともに稼働しない。タンクばかりでない。高濃度汚染水のトレンチからの海洋流出も深刻だ。たいがいの人は汚染水問題がニッチもサッチも行かなくなっていることを知っている。

 廣瀬社長からはもっと深刻な現状が報告され、田中委員長からは大胆な解決策が提案されたのではないだろうか。

 両者の面談には池田長官を含め原子力規制庁の職員が同席している。規制庁詰め記者の「夜回り取材」で話の内容が少しずつ明るみに出るものと期待したい。

 「特定秘密保護法」がこのまま施行されたら、非公開が当たり前になる。原発問題が秘密指定となることを内閣府は明らかにしている。記者会見では出てこなかった事実が少しずつ明るみに出ることもなくなる。

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