混沌とするウクライナ情勢は「シリア内戦」に なぞらえ られつつある。シリアのワリフ・ハラビ代理大使がきょう、記者会見し、深刻化する国内事情とウクライナとの類似点を語った。
代理大使:「ユーチューブではテロリストがシリア国民を虐待する場面が流れている。だが、いつも西欧メディアはシリア政府のせいにする」。
田中:私は1ヶ月クリミアに行ってきたが、西欧メディアは真実を伝えていない。
代理大使:「アメリカやイスラエル、そのほかの国々では政府がメディアをコントロールする。彼らはメディアに資金を供給している」。
田中:紛争地ではテロリスト側がしょっちゅう事実を捏造する。
代理大使:「彼らはいつでも事実全体を変え、政府を非難しようとする。残念ながら近隣諸国の支援を受けている」。
田中:近隣諸国からたくさんのテロリスト集団がシリアに入り込んでいると聞いた。自らが手を下した虐殺を、政府軍の仕業のように見せかけているそうだ。
代理大使:「テロリストは83カ国から来ている。ヨーロッパからも多い。法を遵守すべきだが、だれも国際法を守らない」。
田中:先日コソボの首相が日本外国特派員協会で記者会見した。欧米によるウクライナとコソボへの対応は、「ダブルスタンダードではないか?」と質問した。
代理大使:「コソボの首相は『状況が違う』と言ったが、これはダブルスタンダードだ。彼はアメリカが好きだ」。
代理大使:「アルカイダやヌスラ戦線が国内にいるシリアの状況はとても危険だ。もちろん全ての国民が政府を支持しているわけではないが」。
「だからこそ、他の視点が必要なのだ。3年以上経過して、いまだに政府に強固な支持があることをどう評価するのか。彼ら(反政府勢力を支援する外国)は、テロリスト集団を支援しているのだということを考えなければならない」。
田中:ウクライナはシリアに似てきたのではないか?
代理大使:「そうだ。西欧がロシアの影響力を削ぐためにウクライナに干渉した。なぜならウクライナは多くの国境をロシアと接しており、天然ガスのパイプラインや安全保障上の関心事から、ウクライナを西欧の一員にしたかったのだ。これは全く受け入れられない」。
「ウクライナの国民の多くはロシア系で、彼らのメンタリティはロシアのほうに親近感がある。それでどうしてロシアに反対するのだ? 西欧諸国はクーデターを受け入れた。前の大統領はヨーロッパの仲間になることを良しとしなかったからだ」。
田中:アメリカは失業者に金を渡した。失業者たちがマイダン(独立広場)で石や火炎ビンを投げた。広場に集まってデモを繰り広げた。
代理大使:「いつものことだ。彼ら(欧米)はロシアが要らないのだ。ロシアが国際的に再び大きな影響力を持つようになったからだ。彼らは(ロシアの)力を弱くしておきたい。ロシアの隣国はいつも同じような問題を抱えることになる」。
ワリフ・ハラビ代理大使は、大統領選挙が6月末か7月初旬に行われることを明らかにした。来週中には正式な日程が決まるという。