岸信夫防衛相がきょう(19日)の定例会見で、民生用のドローンをウクライナに送ることを明らかにした。
「防衛装備移転3原則(武器輸出禁止3原則)にあたらない」というのが日本政府の見解のようだ。
笑止である。ドローンに民生用も軍事用もないのだ。もちろん防衛省がそれを知らないはずがない。
キーウ郊外は首都攻略を目指したロシア軍の戦車部隊がことごとく迎撃、破壊され、残骸が墓場のようになっていた。
ウクライナ軍兵士に「どんな兵器が有効だったのか?」と聞くと兵士は「①(攻撃用)ドローン、②(対戦車ミサイル)ジャベリン、③自走砲などからの砲撃」の順で答えた。
②と③にロシア軍戦車の居場所を教えているのは偵察用ドローンだ。偵察用ドローンの活躍がなければ、とっくに首都キーウは陥落していただろう。プーチン大統領が勝利宣言していた可能性もある。
ウクライナ北部で軍が偵察用のドローンを飛ばしている現場に出くわした。
写真を撮ってドローンに詳しい人物に鑑定してもらった。10年も前にドローンを原発上空に飛ばし世を騒然とさせた、あの映像作家である。
映像作家によれば「20万円程度」の代物だそうだ。
このレベルのドローンは無線操縦で飛行範囲は狭いが、スターリンクとグーグルとに連動させれば、どこまでも飛ばせる。
そして敵の位置を正確に捉え、瞬時に自軍に知らせる。こうして敵は対戦車ミサイルや自走砲の餌食となるのだ。
私は「送るな」と言っているのではない。民生用もれっきとした兵器であることを国民に理解してもらい、そのうえで送ればよい。
現実認識を欠いた主張は世界からもの笑いにされる。ひいては武器商人とその手先の国家の言いなりになる。損をするのは納税者である。
~終わり~
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