長老たちの総裁選談合から外されて劣勢に立つ石破茂・元地方創生相が、きょう4日、記者会見を国会内で開いた。
本命候補である官房長官の当選は揺るがない情勢だが、それでも田中は石破氏の政治哲学を聞いてみたいと思い、記者会見に出席した。
平和護憲運動に半世紀余り携わる知人が興味深いことを話していた。「石破さんとは安全保障の考え方が違うけど、石破さんは国民の声を聞こうとしている。日本の隅々までを知ろうとしている。自民党の中から選ぶしかないのだから、石破さんに総理になってもらいたい」。
田中は上記を述べたうえで石破氏に質問した。「総理になったら、そういう人の声を聞くオープン記者会見を開くつもりはないか?」と。
石破氏は「できたらそういうことをやりたい。やりたいです」と身を乗り出すようにして繰り返し言った。
「自分が知らないことがこんなに沢山あるのか、日々そういう思いを持っている。満州国、ソ連に大変な目にあった人たち・・・(中略)自分が知らないことを教えてもらう、そういう機会が持てたらいいなと思います。自分が知らない事を教えてください、そういう思いに基づくものです」。
石破派「水月会」の総会は毎週木曜日に開かれるが、すでにオープン化されており、フリー記者も出席できる。田中も出席したことがある。
この道40年以上のベテラン記者が河井夫妻の選挙違反事件について質した―
「総裁になったら1億5千万円という異常なお金の支出について、きちんと調べ、国民に明らかにする考えはあるか?」と。
石破氏の答えは明快だった—
「これは政党交付金という国民の税金であり、年4千円を納めている党費であり・・・納税者の納得、党員の納得が得られるかどうかということに、自民党としてもっと配慮していきたい。
(資金の流れを)明らかにすることは自民党として最低限必要なことだ。だれがそうしたかは納税者の納得を得るために必要ならやらねばならない」。
ビデオニュースの神保記者が派閥政治の弊害について聞いた。
回答からは石破氏の政治哲学の一端がうかがえた—
「国政選挙において棄権してらっしゃる方が半分ある。そういう人たちが目覚めたときに国はどう変わるのか、ということを政治が示すことによって変わる…(中略)だからこそ政治は逃げてはいけない。政治は人の心を打つものでなければいけない」
記者会見に出席していたフランスのジャーナリストは感想を次のように語った―
「日本の首相は事前に質問を出させて、答えを読み上げる。海外はそれでは通用しない。でもイシバはメモも見ずに答えていた。国家をどうするかも考えている。海外でも通用する首相になるだろう」。
~終わり~