林鄭行政長官は続けざまにトリックを繰り出した。政治犯を中国に送る条例に対する香港市民の猛反発をかわそうと やっき だ。
だが香港市民は日本人のように簡単に政治やマスコミにダマされない。
「200万人デモ」翌々日の18日、林鄭長官は最親中派の華字紙『星島日報』に条例を撤回するかのように書かせたのである。
安倍官邸が読売や産経を使って世論操作をしているに等しい。日本のマスコミはご丁寧にも『星島日報』の後追い報道をした。
香港市民は条例の撤回など毛頭信じていない。関心と不安は「逃亡犯条例」の先にある。
カトリック教徒たちは連日、立法院付近で聖歌を歌ってきたが、立法院エントランスの占拠が始まった17日からは場所を、そちらに移した。
中国の耳元で「信教の自由」を披露したのである。
聖歌隊のメンバーに「中国支配が一段と強化されているが?」と聞いた。
コーヒーバリスタの男性(24歳)は「中国本土では信教の自由は認められない。香港にも押し付けてくるだろうが、私たちは信教の自由を貫く」。
ソーシャルワーカーの女性(20代)は、幼稚園、小学校、中学校がカトリックだった。
女性は「(香港の自治を保証した)一国二制度が終わる時(2047年)が心配。自由を求める人々は国外に続々脱出するだろう」と顔をしかめた。
マーケティング調査が職業の女性は「中国返還(1997年)の前と後では表現の自由度がまったく違ってきている。ほとんどのメディアが中国に支配された」。
彼女はそう言って中立のメディアを書き出してくれたのだが、2社だけだった。
12日のデモでは多数が負傷し、学生たちが逮捕された。
直接手を下した警察の部隊は制服の両肩に付いているはずのID番号が付いていなかった、という。香港の警察官であれば5ケタのID番号が付いているのだ。
手を下したのが大陸の警察官であっても何の不思議もない。
18日の記者会見で、記者からID番号の件を指摘された林鄭長官は答えきれなかった。
デモ現場には広東語が分からない私服刑事もいたようだ。
中国式の公安弾圧はすでに始まっていると言ってよい。
~終わり~
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香港で起きていることは対岸の火事ではありません。
日本の民主主義も危機的な状況にあることを伝えるためにカードをこすりまくって香港に来ました。借金です。ご支援何とぞお願い致します…
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