グテーレス国連事務総長が「ガザは子どもの墓場となっている」と強い懸念を表明した。
子どもは逃げ遅れたりする。戦争孤児も数えきれない。彼らは危険を察知できず爆撃の犠牲となる・・・ここまでは一般論である。もちろん惨い実態だ。
だが前回(2014年)の戦争ではこんなケースがあった―
ラマダン明けを祝うシャーティ難民キャンプ前。子どもたち10人がイスラエル軍の対人ミサイルで爆撃されたと聞き、田中は現場に急行した。
肉片や子供用のサンダルが散乱していた。買ったばかりの衣装で着飾った少女は、表に出て遊んでいたところ木っ端微塵になった。
周囲の建物に被害は全くない。地面もえぐれていない。子どもたちはピンポイントで狙われ爆撃されたのである。
子どもたちは墓地に埋葬された。彼らを爆撃し、一瞬にして命を奪ったドローンは、重低音の飛行音をあげて頭上を旋回した。
海水浴の少年が爆撃され死亡したことがあった。田中は海水浴場に急行したが、砂浜はきれいなものだった。爆撃の跡などかけらもなかった。
シャーティ難民キャンプ前と同じく少年はピンポイントで爆撃されたのである。
イスラエル空軍の兵士はテレビ画面のようなモニターを見ながらドローンを操作していた。難民キャンプ前も海水浴場も、子どもと分かっていながら爆撃したのである。それもピンポイントで。
難民キャンプ前も海水浴場もハマスの施設とは関係ない。
海水浴場それも波打ち際にハマスの戦闘員がいたわけではなかろう。着飾った女の子がハマス戦闘員であるわけがなかろう。
※
田中は大虐殺が起きる恐れのあるガザを取材するためにパレスチナに赴いたのですが、カードの利用額が上限を超えそうになったため、いったん帰国しました。
危険手当を伴うためにドライバーに日額1千ドル(約14万円)も払わなければなりませんでした。
飛行機代、ホテル代で借金まみれとなっているところに、巨額の取材費がのしかかっています。
連絡先:tanakaryusaku@gmail.com