ナゴルノ・カラバフ地方に19日、アゼルバイジャン軍が軍事侵攻した。
アゼルバイジャン国防省が発表し、BBCや地元メディアが確認した。
ナゴルノ・カラバフ地方をめぐってはアゼルバイジャンとアルメニアの双方が領有を主張し、幾度となく軍事衝突が繰り返されてきた。
2020年秋の衝突を受けロシア軍が平和維持軍として同地方に進駐してきた。だがウクライナ戦線で苦戦するロシア軍を尻目にアゼルバイジャン軍はナゴルノ・カラバフを封鎖してしまったのである。
軍事封鎖する直前、アゼルバイジャン軍はアルメニア本土に砲撃を加えた。だが軍事同盟を結んでいるロシアは反撃できなかった。
ウクライナでのロシア軍の苦戦は、この地域の安全保障を不安定化させていたのである。
ナゴルノ・カラバフでは戦闘が起きるたびに双方の虐殺が繰り広げられてきた。両民族の憎しみは深い。
今回は軍事力で圧倒的に優勢なアゼルバイジャン軍が侵攻した。アルメニア人の生命が危機的な状況に置かれることになる。
「ロシアがウクライナで負けたら虐殺が起きる」。友人のアルメニア人ジャーナリスト(写真)は、今にも泣き出しそうな顔で心配していた。
たった今、友人からDMがあった。「看護師の母親は塹壕に設けられた野戦病院で負傷者の治療にあたっている」と。
国際情勢は反米親露の陰謀論で動いているのではないことが、皮肉にも実証された。
~終わり~
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