自民党本部を警備していた機動隊員が1月に、総理官邸の機動隊員が5日、拳銃で頭を撃ち抜き死亡した。警視庁は「自殺」として処理しているが…
警察の内部事情に詳しいジャーナリストの寺澤有氏によると、職場での拳銃自殺は組織への抗議の意味が込められている。上司の責任が厳しく問われるからだ。
家庭内の不和、金銭トラブル、異性との交遊関係などでの悩みであれば、職場で拳銃を使い自分のコメカミを撃ち抜いたりはしないからだ。
上意下達で組織立って動く警察や自衛隊にはパワハラ体質が根強くある。
「警察は軍隊みたいなところがあるからねえ」。40年も前の話だが、所轄のベテラン警部が誇らしげに語っていたのを思い出す。
2018年には滋賀県彦根市の交番で新米の巡査(19歳)が上司の巡査部長(41歳)を射殺する事件が起きている。
裁判の過程で「上司の厳格な指導に部下の巡査が怒りを爆発させたこと」や「両親を侮辱されたこと」などが明らかになった。
部下の巡査がパワハラとして受け取ったことは確かなようだ。職場で拳銃を使い上司を殺害しているのだから。
話を5日に総理官邸であった事件に戻そう。警察発表の通りだとすれば、拳銃自殺した25歳の機動隊員は遺書を残していないという。
「自殺の動機は何だったのか」「思い当たるフシはなかったか」そして最も大事な「上司や先輩との人間関係はうまく行っていたのか」をクラブ詰め記者は警察幹部に聞いたのか。
取材相手のなかでも検察、警察は最も秘密主義である。現場も遺体も抱え込む。身内の不祥事も隠し通す。
警察という組織が本格的に病んだ時、私たちが暮らす社会は暗黒になる。そうならないためにサツ記者は闇に切り込んでほしい。
~終わり~