「零細フリーランスの息の根を止めるインボイス制度はボイコットできる」と税理士は指南する。『田中龍作ジャーナル』(18日付)でもそれをリポートした。
ところが業界は早手回しだ。小型荷物宅配業界では会社側が個人事業主のスタッフに「課税事業者登録しないと仕事を発注しないぞ」と通告した。
新制度ではフリーランスへの賃金を仕入れ控除として計上するには、当該フリーランスが課税事業者として登録しておかなくてはならない。
「生きてゆけない」。悲鳴をあげて廃業するスタッフが続出している、という。
理由はこうだ―
年収1,000万円以下の個人事業者はこれまで免税事業者だったが、インボイス制度が実施される10月1日からは課税事業者となる。収入の10%が消費税として課税徴収されるのである。
ただでさえ物価、公共料金、社会保険料の値上がりで苦しいところにもってきて、収入の10%を税務署に持って行かれるのだ。
年収200万円未満の零細フリーランスの収入が10%減ったらどうなるか。家賃や光熱費を払ったら食べて行くことすら不可能になる。年収200万円未満の低所得者層は労働者全体の18.5%を占める(厚労省国民生活基礎調査=2021年)。
『生きているより死んだ方が楽になる』。新制度が実施されようものなら自殺者がバタバタ出てくるだろう。
「STOPインボイス」集会がきょう30日、衆院会館前で開かれた。国会議員に動いてもらうためだ。(主催:インボイス制度を考えるフリーランスの会)
フリーランスライターの女性は、出版社が発注した仕事を受けて生計をたてる。
「『個人事業主登録をしないと仕事がなくなるぞ』といった圧力は今のところないが、連載が中止になったりするんじゃないか、と毎日怯えている」と顔を曇らせた。
インボイス制度は「フリーランスに死ね」と宣告するに等しい。酷税という他ない。
~終わり~