田中の通訳をしてくれていた地元ジャーナリストのチェルネンコ氏(仮名)は2015年にアゾフ大隊の一員としてドンバスの前線にいた。氏の話に基づき記事を構成する。
結論から言うと「アゾフ=ネオナチ」は97%ロシアのプロパガンダである。
残る3%の意味はこうだ―
フーリガンのようなタトゥーをした連中がアゾフにいた。俗説としてフーリガンにはネオナチがいる。そこをプロパガンダに利用されたようだ。
アゾフ大隊にはロシアの旧帝都であるサンクトペテルスブルグ(プーチンの生まれ故郷)の出身者もいた。(ここら辺はロシアが巧妙に仕込んだ感がある)
第2次世界大戦中、ウクライナの女性はナチスドイツにより大量にベルリンに連れて行かれセックススレイブに従事させられた。(田中は生き残りの老婆から取材)
民族主義者の集まりであるアゾフがネオナチを受け入れるはずがない。プロパガンダとはいえ荒唐無稽である。
アゾフによる虐殺説も言いがかりに過ぎない。ドンバス(ドネツク州、ルハンスク州)内で戦闘が繰り広げられているのだから、民間人の犠牲者は当然出る。そのなかにロシア語話者がいたりする。
そこを「ロシア系住民の虐殺」とつけ込まれたようだ。
怪しげな陰謀論サイトを翻訳して垂れ流すメディアは、現地に入って実情を取材した方がよいのではないだろうか。
~終わり~