菅原一秀元経産相のお膝元として名を馳せていた衆院東京9区(練馬区)。菅原は公職選挙法違反の罪で略式起訴され、議員辞職した。
自民党は9区に候補者を立てておらず(9月16日現在)、空白区となっている。練馬区に自宅のある小池東京都知事が9区から衆院選に出馬する、とする説の有力根拠になっている。
一方、小池不出馬説も根強くある。「コロナが猛威をふるうなかで都知事の職を投げ出すわけにはいかんでしょう」とする見方だ。
小池をよく知る関西のジャーナリストはこう証言する。「あの人は権力欲の塊。都知事で満足するはずがない。総理にならなきゃ気が済まない人やで」。
小池は現在69歳。この秋の選挙を見送ったら次に出る時は73歳となる。(満期の場合)
73歳で国会に戻って、そこから総理を目指すのである。目的を達した時は何歳になっているだろうか。常識では考えられない。
都知事の職をなげうってでも衆院選に出馬するのだろうか。
小池知事にとって幸いなことに、東京都におけるコロナの新規感染者は減少を続けている。9月末までに1日の新規感染者が500人を割る可能性もある。
緊急事態宣言の解除からややあって「衆院選挙に立候補します」ということもあり得る。
7月の東京都議会選挙で小池知事率いる「都民ファーストの会」は、壊滅的な敗北が予想されていた。だが、選挙最終盤になって小池が応援に入ると、一日にして形勢を立て直した。神がかり的な強さを誇るのが小池ゆりこという政治家である。
対する立憲民主党は新人の山岸一生(元新聞記者)で臨むが、山岸は練馬には縁もゆかりもない落下傘である。
共産党以外の野党陣営で9区を耕してきたのは高松智之(元練馬区議会議員=国民民主)だった。だが立・国合併に伴い国民出身の高松は降ろされた。
山岸が地元をまとめきれているとは必ずしも言えない。小池が立たなければ選挙区当選するだろうが、小池が立てば、ひとたまりもない。
衆院9区の選挙は、一にも二にも小池ゆりこ次第である。(文中敬称略)
~終わり~