第2次感染爆発を引き起こしても菅政権の威信にかけて開会したいパラリンピック。
警備は五輪の開閉会式よりも高圧的だった。国立競技場の手前100mの地点でデモ隊を止めたのは、五輪の時と同じだったが。
パラリンピックに反対する横断幕を持った一行は、信号が青でも横断歩道を渡れなかった。弾圧と言ってよいほどの過剰警備である。
異様な緊迫感が支配する光景を写真に収めなければならない。息つく間もなくシャッターを切りまくっていた時だった。
背中の方から「公妨、公妨」の鋭い声がした。振り向くと男性が私服刑事に両腕をつかまれていた。たちまち制服警察官が群がった。ラグビー選手が楕円のボールを押さえるかのような凄まじい凝縮力とスピードだった。男性は警察に持って行かれた。アッという間だった。
間髪を入れず、次の事件が起きた。男性を救出に行こうとしたのだろうか。女性が警察に突き倒されたのだ。
「ゴツン」。鈍くて大きな音とともに彼女はアスファルトの上に倒れた。後頭部から血を流していた。田中のカメラは一部始終を捉えていた。
警察の弾圧のもと逮捕者を出しケガ人を出す。これが共生社会なのか?
さらなる医療崩壊を招き、自宅で苦しみながら死んでいく感染者を増やす。これがパラリンピックの真の姿なのか。
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写真はいずれも被害者女性の許可を得て掲載しています。
~終わり~