
総務省正面玄関前にテントを張った。誠意ある回答が出るまで簡単に動かないぞ。野宿者と支援者たちの決意の表れだった。=5日、霞ヶ関 撮影:田中龍作=
「住民票のない野宿者にも特別定額給付金を」と訴えて、当事者と支援者が4日から5日にかけて、総務省の玄関前で座り込んだ。
野宿者だけではない。いまだに10万円の支給を受けていない国民がいる。
「コロナで困っている人に現金を渡さなくては」という誠意が政府にはない。総務省官僚の横柄な態度がそれを象徴していた。
7月24日にあったオリンピック反対デモは警察の弾圧で潰された。
そもそも子供が満足に食べられなくなっている国に、オリンピックなど開催できる余裕はなかった。

=新国立競技場そばの道路に座り込んだデモ参加者。この後、警察はデモ隊を強制的に道路から締め出した。=7月24日、都内 撮影:小杉碧海=
それでも安倍政権は開催したかった。一儲けを狙うマスコミも便乗した。それがとてつもなく大きな災厄をもたらした。
オリンピックやりたさでコロナ対策の初動が遅れたのだ。
政府が機能不全に陥ったこの国にあって「定額給付金」「オリンピック」は、特殊な人たちだけの問題ではない。
上級国民以外の誰にも降りかかってくる難題なのだ。上級国民以外はいつ生活困窮者となってもおかしくない。
田中龍作ジャーナルは現場から問題を告発します。
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