関東大震災のあった9月1日、都立横網町公園(墨田区)で営まれる「朝鮮人虐殺慰霊祭」。
三国人発言で鳴るあの石原慎太郎知事(当時)でさえ毎年、追悼文を送ってきたが、小池知事は今年も送らない。きょう7日の定例記者会見で小池知事自身が明らかにした。毎日新聞記者の質問に答えた。
記者の質問に対して小池知事は公園使用許可の話にすり替えようとした。「都立公園条例と人権尊重条例をリーガルな柱として」・・・と得意の横文字を並べながら。
記者が「(質問は)追悼文です」と問い直すと知事は「それは毎年送っていません」。「今年も送らないということですね?」と念を押すと、知事は「はい」と頷いた。マイクを通しても聞き取れないほどの小声だった。
慰霊祭会場の横網町公園では、主催団体と大虐殺を否定する団体が衝突したこともある。
大虐殺を否定する女性右翼団体は小池知事の支持層だ。小池氏は約10年前、この団体に呼ばれて講演をしている。追悼文を送らないのは支持層への配慮ともみられる。
アメリカで黒人男性の殺害に端を発した抗議行動で叫ばれた「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」。
抗議行動が全国に拡大すると、これに対するスローガン「All Lives Matter(すべての命が大切)」が白人らによって言われるようになった。
なぜ「All Lives Matter」ではいけないのか。
黒人の命は大切にされてこなかった。白人の命と同等ではなかったのである。
これと同じように関東大震災で虐殺された朝鮮人の命は、地震で失われた日本人の命と同等ではなかった。
小池知事がすべての犠牲者に対して追悼文を送るというのは、話のすり替えだ。
~終わり~