「被告から見て明らかにそれと分かる形での抵抗はなかった」。性交に同意していなかったとは認めたものの「被害者が抗拒不能の状態だったと認定できない」・・・
性暴力をめぐっては、首を傾げたくなる判決が最近、相次ぐ。この国は果たして法治国家なのだろうか。
性暴力の被害女性たちで作る団体「一般社団法人Spring」が、きょう、最高裁判所長官と法務大臣に刑法の見直しなどを要望した。
要望の中心になっているのは「暴行脅迫要件の撤廃」と「不同意性交罪の新設」だ。
心理学、精神医学的知見として、性暴力に遭った場合、被害の瞬間にフリーズ(凍結)反応が起き、逃げることも戦うこともできなくなる ― 暴行脅迫要件の撤廃を求めている理由だ。
職場の上司、ゼミの教授など力関係において圧倒的に優位に立つ相手から、性暴力を受けそうになった時、拒否できるだろうか?-不同意性交罪の新設を求める理由だ。
「性犯罪に厳しいイギリスでは、YESと言わない限りNOということになる」イギリスを視察した山本代表理事は語る。
要望書を受け取った山下貴司法相は「性暴力は魂の殺人・・・皆さんの主張には説得力がある」と応えたという。
アベ友による準レイプ事件が示すように、この国は加害者天国である。一方の被害者は声を上げることもできず、泣き寝入りの状態だ。
自らも法律家で検事出身の山下大臣は、実名と顔を出して事態の改善を要望する被害者女性たちの声をどう受け止めただろうか。
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