永田町、霞ヶ関周辺を歩くと見覚えのある国旗が日章旗と共に浅き春の風に揺れていた。エジプト国旗だった。
5年前、ムバラク独裁政権を倒した市民革命の最大拠点となったタハリール広場に翻っていたのを思い出す。
中国の天安門広場に相当するタハリール広場に、連日数万人が押し寄せムバラク大統領を退陣に追い込んだ。その熱狂は、「アラブの春」として世界にもてはやされた。
ピラミッドで有名な中東の大国からの賓客はシーシ大統領だ。選挙で選ばれたムルシ政権をクーデターで倒したエジプト軍制組服トップは、季節を春から冬へと逆回転させた。
反体制勢力を徹底弾圧する独裁政権は2014年、穏健派イスラム教徒のムスリム同胞団やその支持者683人に死刑判決を言い渡した(うち183人については死刑判決が確定)。政敵はすべてテロリストとなるのである。
エジプトは中東では数少ない親米国家のひとつだ。日本は第4位の援助国、1位はアメリカである。(日本外務省HPより)
マスコミ報道によると、安倍首相とシーシ大統領はテロ対策の協力強化で一致したという。
「弾圧はどこまでであれば、アメリカから咎められずに済むのか?」安倍首相はエジプトの独裁者に教えを乞うたのだろうか。
~終わり~