安保法制の行方をにぎる維新の党は、あす(8日)、独自案(対案)を国会に提出する。きょうの役員会で決定した。
松野頼久代表は「採決に協力するつもりはない。しっかりと我々の案を審議しないのであれば欠席も辞さない」と語気を強めた。
柿沢未途幹事長も強い口調で話した―
「60日ルールを適用できるような状況の中で、衆院で採決し参院に送るということになれば、問答無用で政府案を通すということになる。7月末まで審議をやって、維新案と政府案を国民に比べてもらいたい。与党の採決のアリバイ作りに協力するつもりはない」。
田中は「自民は(15日採決の)スケジュールありきで進んでいるが」と問うた。
柿沢幹事長はさらに強い口調で答えた。「それをやったら憲政史上に汚点を残すことになる…(中略)そうなったら、こちらも腹を決めてかかる」。
安保特別委員会を構成しているのは、与党が自民と公明で、野党が民主、維新、共産だ。維新が採決を欠席すれば、全野党欠席となる可能性が極めて高くなる。
維新の独自案を云々している状況ではない。立憲主義を否定し戦争への道を開く政府案を採決させないことが肝要なのである。
自民党で幹事長などを歴任し、長く権力の中枢にいた小沢一郎氏は「全野党が欠席となれば採決できない」と見る(7日記者会見)。
「安全保障のような国のあり方に関わるような法案を与党単独で採決するわけにはいかない」と言うのだ。
一方で小沢氏は「(もし与党だけで強行採決するとすれば)安倍さんが異常な決意をした時」と含みを残した。
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