衆院・安保特別委員会はきょう、那覇市とさいたま市で地方公聴会を開いた。田中は さいたま市 での公聴会を取材した。
野党側の参考人が違憲性を指摘すると、与党側参考人は現実性のない国際情勢を持ち出して煙に巻く。国会同様の展開が巷に持ち込まれた。
「存立危機事態は従来の個別的自衛権で対応できる・・・レアな事態に対応するために従来の考え方を変えるのは無理がある」。野党側の落合洋司弁護士が追及した。
倉持麟太郎弁護士が続いた。「政府法案は切れ目のない違憲法案である」「国民はすでに権力者のパントマイムに気づいている」・・・
その上で倉持弁護士は「議論されていない論点が40以上ある」と指摘した。
与党側参考人の細谷雄一・慶大教授は中国情勢とウクライナ情勢をあげて集団的自衛権の必要性を説いた―
「中国の軍事力が米国を超えた時(どうするのか?)」「ウクライナはNATOに加盟していないから(親)ロシア武装勢力の標的になった」
中国情勢は仮定が過ぎる。ウクライナ情勢については、ウクライナ国内の事情や歴史を無視したものだ。
細谷教授の牽強付会ぶりは、砂川判決をもって集団的自衛権は合憲であるとする安倍政権と同じだった。
細谷教授(国際関係)は、政治学者・北岡伸一氏の教え子。北岡氏は集団的自衛権の行使を認めた安倍内閣の安保法制懇の座長だ。細谷氏は安倍首相のお友達の弟子というわけである。
公聴会の後、記者会見が持たれた。公聴会に臨んだ国会議員全員が出席した。
NHK記者が最初に質問した。「(自民党)谷垣幹事長は議論が出尽くしてきたと言っているが、採決はいつか?」「15日くらいか?」
安保特委の江渡聡徳理事(自民)は「まずは今週、皆さんの意見を聞いて、その後(採決の日程を)協議する」と答えた。来週の採決を否定しなかったのである。強行採決に向けてやる気満々だ。
田中は「維新が対案を出し、民主と維新が共同で領域警備法を出すようだ。15日採決で(両案の)審議ができるのか?」と質した。
江渡理事は「先ず出してもらって」と かわした。
全野党が欠席すれば強行採決は難しくなる。維新の動向が安保法制の行方を握る。
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