労働者・生涯貧困法案 来週末にも強行採決か

厚労官僚が国会議員に配布していた謀略文書(コピー)。「10・1虚偽ペーパー」とも言われる。

厚労官僚が国会議員に配布していた謀略文書(コピー)。「10・1虚偽ペーパー」とも言われる。

 生涯派遣労働者のまま。正社員の業務も安価な派遣に置き換えられる。 

 労働者をことごとく貧困に突き落とす「派遣法の改悪撤回」と「塩崎厚労相の辞任」を求めて、法律家と労組が国会議員の事務所に陳情をかけた。

 安倍政権は早ければ、労働者派遣法の改悪を来週末にも衆院で強行採決する構えだ。

 自由法曹団の弁護士と労働組合員は、これを阻止するために有力議員や塩崎厚労相の事務所に陳情をかけたのである。

 
 派遣法改悪をめぐっては、厚労官僚が国会議員に謀略文書を配布していたことが明らかになり、衆院厚労委員会は一時審議がストップした。謀略文書は「10・1虚偽ペーパー」とも呼ばれる。

 「派遣法が改正(改悪)されないまま10月1日を迎えると大量の派遣労働者が失業する」「訴訟が乱発される」というデマである。厚労省の局長、部長級のカバンに入っていたというから驚きだ。

塩崎厚労相の国会事務所を訪れて、法案撤回と厚労相辞任を陳情する弁護士。=25日、衆院会館 写真:筆者=

塩崎厚労相の国会事務所を訪れて、法案撤回と厚労相辞任を陳情する弁護士。=25日、衆院会館 写真:筆者=

 自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士は塩崎厚労相の事務所を訪れて次のように語った―

 「塩崎大臣は自分が直接やったわけじゃない、厚労省の職員がやったんだということですが、これだけのことなのですから監督責任として即辞任をして頂きたい」。

 経済界は、派遣法が改正(改悪)されないまま10月1日を迎えることを避けたい。

 現行法では10月1日に「労働者契約申し込み・みなし制度」(通称:みなし制度)が施行される。

 「みなし制度」では、3年を越えた派遣労働者に対して経営者は直接雇用を申し入れなくてはならない。

 派遣労働者は安価でいつでもクビを切れる。それを直接雇用に切り替えるなんて、経済界は真っ平ゴメンである。

 派遣法が改悪されれば、「みなし制度」は廃止される。リーマンショックの影響で職と住居を同時に失う派遣切りの悲劇を教訓に「みなし制度」は法制度化されたのだった。

 経済界にとって不都合な「みなし制度」(現行法=10月1日施行)を潰すため、改正案は9月1日から施行されることになっている。

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