天皇陛下に手紙を渡したことでバッシングを浴びる山本太郎議員が今夕、国会内で会見を開き、自ら議員辞職する考えはないことを明らかにした。
きょう、午前と午後にわたって参議院議院運営委員会で聴取を受けた山本議員。会見で8日までに「出処進退を明らかにするよう」回答を求められたと語った。
山本議員は「67万人近く(の有権者)と約束した事があるので、いま職を辞するわけにはいかない」として議員辞職をきっぱりと否定した。
一方で「大騒ぎになり、陛下の宸襟(しんきん)を悩ませたことを猛省している。これからは国会議員としてもっと強い認識が自分に必要だと思う」と反省の弁を述べた。
「メディアの論調とは異なり福島の人達からは共感する声があがっているが…」と筆者は質問した。
山本議員は「(福島の人々は)東京の電力のためにつらい立場に置かれた。福島に押し付けられた不条理に対して闘っていく」と答えた。
手紙騒動をめぐっては左右両陣営から非難と擁護の両論が巻き起こっている。参議院会館前ではきょう、日の丸をはためかせた右派の団体が陣取り、「議員辞職しろ」「日本から出て行け」などと非難した。
だが山本氏の行為には議員辞職させるだけの法的根拠がなく、前例もないことから、議運は本人に進退をまかせることにしたようだ。以前に現職議員が辞職した例は汚職など実際に罪に問われている場合がほとんどだ。
「天皇の政治利用だ」という指摘については、沖縄県民が強く反対した「主権回復の日」で天皇皇后両陛下を臨席させた例などを挙げて自民党を批判する意見もある。山本議員を非難すると自分達にブーメランのように跳ね返ってくるのだ。
「政治利用はおまえもじゃないか」という意見を逆に浴びることを嫌った与党側の苦肉の策であることがにじむ。
国会での処分が難しいだけに、今後しばらくは専らメディアに騒がせる状況が続きそうだ。