市民団体が官邸に乗り込み野田佳彦首相に原発推進政策の全面転換を求めた22日、同様に脱原発世論の高まりを背に受けた動きがあった。法律家や文学者らが「脱原発法制定全国ネットワーク」を設立し、「脱原発法」の要綱を発表したのである。
同ネットワークは大江健三郎氏(文学者)、河合弘之氏(東電刑事告訴、東電株主訴訟の弁護団長)、伴英幸(原子力資料情報室)らが代表世話人を務める。
河合弁護士によれば、「脱原発法案」は、議員立法により今国会中(9月6日、会期末)の上程を目指す。
同法案が目指す基本計画は以下―
・原発の新増設は認めない
・原子炉寿命の40年は例外を認めない
・もんじゅは即時廃止
・発送電分離
・2020年~2025年までのできるだけ早い時期に脱原発を遂げる
「官邸前のオキュパイ、各地での運動の盛り上がり。市民団体がきょう首相と会うのも盛り上がりあってのもの。その成果を(脱原発法という形で)固定化しなければならない」。河合代表世話人は法律制定の意義を強調した。
《文・田中龍作 / 諏訪京》
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