「学校給食の放射能測定を」 横浜の父母が行政に要望

「守る会」の代表ら3人が大場副市長と面談する間、廊下で見守る父母と子供たち。(10日、横浜市役所で。写真:筆者撮影)

「守る会」の代表ら3人が大場副市長と面談する間、廊下で見守る父母と子供たち。(10日、横浜市役所で。写真:筆者撮影)


 
 就学期の子供を持つ親が今、最も気に病んでいるのは給食だ。福島原発事故による放射性物質で汚染された食材が使われていたことが各地で明らかになっている。横浜市の場合、セシウム汚染された稲わらを食べた牛肉が学校給食に使用されていた。

 我が子を保育園や幼稚園、小学校に通わせる父母らで作る「横浜の子どもたちを放射能から守る会」が10日、横浜市役所を訪れ「食の安全」を求める要望書と署名を林文子市長あてに提出した。

 この日朝、市役所に集合した親たちは憤りを隠さなかった。これまでの市側の対応が神経を逆なでするものだったからだ。

 横浜市教育委員会は7月15日に記者会見し、市内の学校給食に食材として用いられた牛肉の産地と個体識別番号などを明らかにした。いずれもセシウムに汚染された稲わらを食べた牛だ。にもかかわらず、市教委は「暫定規制値を超える放射性物質が検出されたとする報告はない」とし、さらには「100回食べてもレントゲン1枚と同レベルの値であり、健康に影響を及ぼすものではない」とまでコメントした。

 市民の税金で運営されている市教委が、山下センセイ(福島県立医大副学長)ばりのマヤカシをマスコミに述べたのである。

 林文子市長は親たちをもっと不安に陥れた。林市長は6月2日、横浜みなとみらいで開かれた食のイベントで「福島県産の食材は安全だと思っている。横浜市も大いに使わせてもらおうと思っている」などと発言したのだ。

子供が内部被曝をしないように求める要望書を大場副市長に手渡す安田とし子代表。(筆者撮影)

子供が内部被曝をしないように求める要望書を大場副市長に手渡す安田とし子代表。(筆者撮影)


 10日は当の林市長が不在のため「子どもたちを放射能から守る会」は大場茂美副市長に「食の安全確保」などを要望した。実際、大場副市長と面談できたのは「守る会」の安田とし子代表はじめ3人だけである。残る20人余りの父母は廊下で見守った。

 安田代表らは「必要な測定器を購入し、速やかに結果を公表する」ことなどを求めた。また校庭の土壌汚染も子供を内部被曝させることから「校庭の土の核種を調査し公表すること」も要望した。

(要望の全容は http://yokohama-konan.info/message.html)

 市側は「流通している物(食材)については安全」「空気線量があまり出ていないので土壌は調べる必要がない」などと答えた。前段は枝野官房長官とまったく同じ、後段は官僚答弁だ。とりつく島もない、とはこのことである。

 ある母親が「空間線量は土壌汚染と必ずしも直結しないことを私たちは調査で知っています」と述べたが、市側は耳を貸さなかった。

 子供を守る会の安田とし子代表は記者会見し「(食材に適用される)国の暫定基準値である500ベクレルは高い(甘い)。日本の子供たちが安全な食事ができるように、国は子供の基準値を設定してほしい」と話す。

 「政府に安全な基準値を設けてもらうよう『子どもを放射能から守る全国ネットワーク』を通じて働きかける」。安田代表は口元を引き締めた。

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