昨夜(10日)、東電本社前は久々に抗議の人々で埋まった。「東電は責任を取れ」「ちゃんと賠償をしろ」・・・巨大なビルに向かって人々は当然の要求を突き付けた。
フィルムが逆回転するように5年前の光景がよみがえる。原発事故発生から間もない頃は、抗議団体が入れ替わり立ち替わり訪れ、東電前の歩道は連日のように人で埋め尽くされた。
福島の農民は放射能をかぶった野菜を持ち込んだ。「出荷できねえ」。声は怒りに震えていた。牛を浪江町の牧場に残して来た女性は「牛が死んでしまう」と目に一杯涙を浮かべた。
原発事故は当然衝撃的だったが、世の中のウソがばれたことも十分に衝撃的だった。
正義の味方を気取っていたマスコミは、電力会社の巨額な広告費で餌付けされ、大事故に結びつくトラブルさえ大きく扱わなかった。安全神話の中心を担っていたのだ。
放射能が飛び散るように、マスコミの実態は広く社会に知れ渡った。事故発生当時、東電の勝俣恒久会長が記者クラブを引き連れて中国旅行に出かけていたことは、その象徴でもあった。
記者会見で田中の質問に勝俣会長は「旅行費の大半を東電が持っていた」ことも認めた。しらばっくれると思っていたが、予想に反して事実関係を すんなり 認めたことはさらに驚きだった。
「コンクリートから人へ」を掲げて政権に就いた民主党は、マスコミ同様電力会社に頭があがらなかった。「電力総連」は民主党の支持母体である連合の主導権を握る存在だ。
民主党政権下、原発事故の収束宣言が出される(2011年12月)。これこそ世紀の大ウソだった。 大ウソは安倍首相の「アンダーコントロール」へと引き継がれた。
「女性が輝く」「一億総活躍社会」「介護離職ゼロ」・・・安倍首相はウソを通り越し、国民を苦しめる政策を次々と繰り出す。新聞テレビはそれを批判することもない。
原発事故から5年が経ちウソが大手を振って歩くようになった。
~終わり~
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