この国では加害者の責任は問われないのだろうか。原発事故による放射能を逃れて自主避難している住民への住宅支援が2016年度末で打ち切られそうなのだ。
自主避難者とは、政府の避難指示区域外だが、線量が高いことなどから子供の健康などを考えて他の地域に避難した住民のことだ。
県外への自主避難世帯は1万3,758戸(ジャーナリスト鈴木博喜氏が福島県避難者支援課より取材=2014年2月末現在)。災害救助法に基づき行政が住宅費を支援してきた。
1年ごとに支援を延長してきたのだが、福島県は2016年度末(2017年3月)で打ち切ることを決めたもようだ。一部報道機関が伝えた。
自主避難者にとっては死活にかかわる決定だ。住宅支援が打ち切られれば、福島に帰らざるを得ないからだ。さりとて子供の健康を考えると放射線管理区域に相当する場所に帰るわけにはいかない。
「(打ち切りを決めたとする)報道は本当か?」「延長できないのか?」・・・東京と京都に住む自主避難者がきょう、国会内で行政と交渉を持った。(主催:キビタキの会※)
行政側は内閣府、復興庁、福島県東京事務所、東京都が出席した。
いわき市から都内に避難している女性は「子供(8歳)が『おかあさん、いつここを追い出されるの?』と夜起きて聞くんです。どうしてそんな酷い事をするんですか?助けてください。延長してください」と声を震わせながら語った。
葛尾村出身の高齢女性は県への怒りをぶちまけた―
「福島県は全員避難しなければ。命令されても帰らない。本当に子供を守ろうと思ったら福島県には住めませんよ。福島県はどうして皆で立ち上がらないんですか」。彼女は声を荒げた。
避難者たちは窮状を伝えた後、行政側の対応を聴こうとした。だが行政はマイクを押し付け合い、責任を逃れようとした。
避難地域・地点でさえ力づくで解除する国。避難指示をしていない自主避難者にはまるで当然であるかのように帰還を迫る。
東京オリンピック(2020年)までに原発事故避難者をゼロにしてしまいたい安倍政権の思惑が透けて見える。
参院復興特別委の山本太郎委員が駆けつけ、政府側に迫った―
「自主避難者が担当大臣か知事と直接話す場を設けてくれませんか? (住宅支援は)タイムUPで16年度末で打ち切りですかね?」
政府の役人は何も答えなかった。
「自殺しろってことですかね」。京都市に子供2人と避難している母親の言葉が、役人たちの背中に刺さった。
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※キビタキ:
福島県の県鳥
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