安倍政権が着々と歴史のコマを逆回転させている。逆回転どころか無視の感さえある。原発を「基盤となる重要なベース電源」と明記した、政府の新エネルギー基本計画のことである。
「特定秘密保護法案」に国民の関心が集まるなか、経産省はドサクサに紛れるようにして「2030年までに原発をゼロとする」前政権のエネルギーの基本計画を見直したのである。新計画は1月に閣議決定される。
事態を憂慮した市民団体がきょう、国会内で記者会見を開いた。会見では安倍政権の民意を無視したエネルギー基本計画の見直しに批判が集まった。
エネルギー基本計画をめぐっては、昨年夏、国民的議論が巻き起った。公聴会は全国で開催され、8万8,280件のパブコメが寄せられた。「原発ゼロ案」支持は87%(7万6,800件)を占めた。
政府はわずか1年余りで原発ゼロを望む多数の国民の意見を捨て去るのである。福島事故の教訓は何処へ行ったのだろうか。世界から批判を浴びている汚染水問題は依然として打つ手なしの状況だ。
原発反対の国民にとって残された手段はパブコメだ。新年1月6日まで受け付けている。FAXで 03-3501-2305 に所定の用紙を送信する。あるいはウェブでhttp://p.tl/-Bh8 (電子政府・イーガブ)のフォームから投稿する。
閣議決定されるまでせめてもの抵抗を試みたい。