【官邸前抗議】 2年目に突入した「原発いらない」

人々の怒りは事故から2年以上経った今も収まることがない。=29日夕、永田町 写真:田中撮影=

人々の怒りは事故から2年以上経った今も収まることがない。=29日夕、永田町 写真:田中撮影=

 「再稼働反対」「原発止めろ」……。日頃政治と関わりのない市民たちが、国の最高権力者の顔前で原発推進政策に異を唱える。いわゆる「官邸前抗議」(主催:首都圏反原発連合)がきょう、2年目に突入した。

 昨年の3月29日、花冷えのする官邸前でうぶ声をあげた抗議集会。初回の参加者は約400人だった(主催者発表)。この日の『田中龍作ジャーナル』には200人と書いている。

 組織や団体ではなく個人参加とし、原発以外のテーマを持ち込まないワンイシューが普通の人たちに支持され、参加者は回を追うごとに増えた。最盛期は昨年の6月~8月。主催者発表で10万人を超えることもあった。

 歩道に入りきれなくなった参加者が規制線を破り、あわや「官邸突入」「国会突入」というところまでいったのもこの頃だ。

 1回目から参加している女性(50代)は、福島県富岡町から都内への避難者だ。「1年間続いてきたことは凄い。日本人は熱しやすく冷めやすいから。(最盛期は来ていたが)来なくなった人は生活があるからだろうが、日本のいけない所をちゃんと指摘したのだろうか?」

 政府に対する彼女の不信感は根強い。「25日から日中の帰宅はできるようになったが、水道・電気はない。2月末に一時帰宅した時、自宅庭の線量は9.8μSv/hもあった。政府は(住民を)帰りたい気持ちにさせたいのだろうが、それに負けるわけにはいかない」。

「1号機の爆発音を聞いた」。事故当時を振り返る福島の住民。=写真:田中撮影=

「1号機の爆発音を聞いた」。事故当時を振り返る福島の住民。=写真:田中撮影=

 同じく富岡町から避難してきた別の女性は「このままでは私たちは政府に殺される」と訴えた。

 大田区の会社経営者(60代)は、ホラ貝を吹き続けてきた。官邸に戦(いくさ)を仕掛けるという意志が込められている。「官邸前で抗議することに凄い意義があると思い参加している。“ゴマメの歯ぎしり”結構じゃないですか」。

 原発の電気を供給し続けた福島に人々にとっても、それを享受し続けた東京の人々にとっても官邸前は、国の政策に異議を唱える場なのである。

 スタッフとして官邸前の抗議活動を支えてきたMetal Gold Tokyo(ハンドルネーム)さんは「1周年なんてめでたくない。こんなもん一日も早くやめたい」。

 日本にある50基の原発がすべて止まるまで抗議のシュプレヒコールはあがり続けるだろう。

 「TPPに加盟するな」「貧困なくせ」「認可保育所増やせ」…テーマはそれぞれ異なっても、金曜抗議が始まって以降、官邸前はお上にもの申す場として定着した感がある。

 政府に異を唱えたりすると「サヨク」や「活動家」とレッテルを貼られてきたが、市民のだれもが声をあげられるようになったことの意義は大きい。

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