
木枯らし1号の吹く寒い日だったが、参加者たちは「さようなら高市」をアピールした。=3日夕、新宿南口 撮影:田中龍作=
政権発足からわずか2週間。早くも市民たちが街頭に出て「さよなら高市首相」を訴えた(主催:路上大学)。
主催者は高市早苗が自民党総裁に選ばれた日(10月4日)に第1回目の路上街宣を行っている。強い危機感の表れだ。
高市政権の怖さはその脅威的支持率である。若年層の内閣支持率が80%を超え、中高年層でも60~70%に達する。
単純計算すれば国民の半分以上が高市政権を支持していることになる。加えて記者クラブメディアがある。総務大臣時代に「停波」を仄めかしたこともあるだけに、テレビ局や大株主の新聞社は戦々恐々である。よほど大きなスキャンダルがない限り、高市首相周辺を批判することはできまい。実際、経歴詐称疑惑はまったく触れられていないではないか。
民主主義を窒息させるような法案を提出して可決成立させることも容易だ。連立を組んでいる維新に加えて、一応野党の国民民主や参政党も賛成するからだ。

高市=「高い位置」。その通りだ。=3日夕、新宿南口 撮影:田中龍作=
とりわけ高市自民党はじめ上記3党が成立に意欲を示す「スパイ防止法案」は危険だ。
歴史は古く安倍晋三の祖父である岸信介元首相を首魁として自民党が法案提出を目論んできた。
防衛や外交に関する機密情報を外国に漏らすなどした場合、最高刑で死刑に処すという内容だった。
安倍政治の継承を目指す高市政権は、維新、国民民主、参政党などの支持を得て法案を提出し、可決成立させるだろう。
そもそも何が機密に当たるのかが恣意的だ。気に入らない人間をスパイ認定してしまえばよいのだ。
永田町と霞が関の内部に詳しい知人が「龍作さんなんて何もできなくなるわよ」と忠告してくれた。
議員定数が削減されて強大政党だけが幅を利かすようになり、スパイ防止法で政権に不都合なことが明るみに出なくなる。
「さよなら高市」にするのか「さよなら民主主義」にするのか。正念場だ。(文中敬称略)

高市内閣の止めてほしい政策。参加者が記した。=3日夕、新宿南口 撮影:田中龍作=
~終わり~
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