『サッポロ一番みそラーメン』は、中途半端な店のラーメンより美味い。半世紀以上にわたって人々に親しまれてきただけのことはある。
定価は5食入りで500円超。庶民には高嶺の花だ。女房がスーパーでサンキュパッ(398円)で売られている時だけ買ってくる。
留まる所を知らない物価高のご時世。女房は「サンキュッパはもうないかもしれないわよ」と顔をくもらせた。
一個200円を超すカップ麺はすでに高級食品となっている。
貧乏学生が「カップヌードルと白メシで食いつないでるよ」などと言っていた頃が懐かしい。
30年以上も前、『一杯のかけそば』という小説が流行った。貧しい3人の母子が大晦日に蕎麦屋に入り、かけそば1杯を分け合って食べた。店主が情けをかけ、1.5人前を提供し1人前の代金を受け取ったという美談だ。
今、貧しい母子はそもそも蕎麦屋ののれんをくぐるだろうか?たとえ大晦日でもスーパーでゆで蕎麦を買うだろう。うどん1玉を家族4人で分けたという話も報じられている。貧困は1杯のかけそばを遥かに上回って進行している。
国民は貧しくなる一方。物価は上がる一方。インスタントラーメンが食べられなくなる日が、遠からずやってくるだろう。
~終わり~
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