政府による公助をアテにできない昨今、杉並区では地元の有志たちが、昨年末から食料配布や生活相談を続けている。
きょう6日は6回目となった。高円寺駅前広場にテーブルが置かれ、食料が並んだ。
大根、玉ねぎ、里芋、ニンジン、コメ、パスタ・・・ボランティア仲間が送ってきたり、都内の居酒屋が寄付してくれたりした。
食料配布や生活相談は、大きな組織が大きな会場で開催する、というのがこれまでのスタイルだった。
だが、コロナ禍で仕事を失い、移動の電車賃にも事欠く人は少なくない。地元でできるだけ頻繁に食料を配布し、困り事の相談に乗ることの意義は大きい。
一人の青年がベテラン労働相談員から助言を得ていた。青年はパワハラで会社を辞め住まいを失ったため、高円寺のネカフェに寝泊りする。
手持ち金が残りわずかになったため、相談を受けにきたのだ。あさって月曜日には福祉事務所が開くので、相談員に同行してもらい、生活保護の申請に行くことになった。
青年が高円寺のネカフェ暮らしでなかったら、ベテラン相談員との出会いはなかったかもしれない。
下町の江戸川区、葛飾区でも、こうした地元密着型の食料配布、生活相談を行おうという有志たちが、高円寺に見学に訪れていた。
公助が崩れ、共助に支援疲れが見え始めた。組織に属さない地域の有志たちが立ち上がらざるを得なくなってきた。
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