「あったかいお弁当ありますよ」「新鮮なお野菜も持って行って下さい」・・・
地元のオジサン、オバサンたちが地元の人たちに無料で食料を配布し、生活の相談に乗る。きのう6日、高円寺で見た光景だ。
地方に行けば40~50年前までは地域のきずなが普通にあった。
葬式で両親が家を離れたりする時は、隣人が子供を預かってくれた。田中はガキの頃、隣のおばあちゃん家によくお世話になった。
政治の風景も違った。中選挙区制の下、自民党のライバルは自民党だった。先生たちは競うようにして地元の人々の面倒をみた。「あそこの家の上の子は今度、中学校に上がる。下の子は小学3年生」などと諳んじていた。
自民党を美化するわけではない。かつてのように政権党が民草の実情を知っていれば、今のような酷い政治になるはずがない、ということを言いたいのだ。
話を高円寺に戻そう。
すぐ近くのネカフェで寝泊まりしていた青年は持ち金が底をつきかけていた。生活相談を受けた青年は月曜日(8日)に福祉事務所に行くことになった。
相談に乗っていた年配の女性が青年を励ますように言った。「私が付いて行けば生活保護申請は100%通る」。
彼女は最後に言った。「困った時はお互いさま、なのよ」。
~終わり~
◇
『田中龍作ジャーナル』はマスコミが報道しない出来事を伝えます。取材費は読者の御支援により賄われています。↓