貧困層の命綱ともいえる炊き出しが、きょう9日夕方、東池袋公園であった(主催:NPO法人TENOHASI /第2・第4土曜日)
今や、炊き出しの列に並ぶのは自宅(アパート、都営住宅)に住む人が半数以上、なかには正社員もまじる。明らかに政策の間違いで貧困に陥り、食って行くこともままならぬ状態になった人々だ。
貧困を作り出したとも言える政治について、炊き出しの列に並ぶ男性(56歳)に聞いた。
男性は5年前、アル中で仕事を失い、現在は新宿区内の無低(無料低額宿泊所)住まいだ。新宿区から受給した生活保護の大半を、大家である無低に差っ引かれると、手元に残るのは、5万円前後だ。これで1ヶ月、食べて行かなくてはならない。
田中が「先日の総選挙には投票に行ったのですか?」と聞くと、男性は躊躇も衒いもなく「行った」と答えた。自分の住民票がある(渋谷区)千駄ヶ谷の投票所まで足を運んだのだそうだ。
「ゴマメの歯ぎしりかもしれないが、宝くじに当たるようなものかもしれないが、庶民の声を1ミリでもいいから(国政に)届けたかった」
投票先を選んだ基準は消費税だった。「生活保護だと課税されないが、消費税だけは容赦ない。それにインボイスまで加わった。消費税は減税するか廃止するしかない」。
男性の怒りは明らかに消費税減税に否定的な野党第一党に向けられていた。立憲民主党の名前こそ挙げなかったが「消えてなくなればいい」とまで言った。
田中は「消費税を上げた野田さんは労働者階級の敵か?」といささか挑発気味の質問をした。男性は「はい、そうですね」とキッパリ。「労働者あっての社会ですからね」とも言った。
経済政策において「自民党と立憲の区別がつかない」という声を、政界の内外でよく耳にする。
先の総選挙で立憲は議席こそ大幅に増やしたが、比例の得票数はわずか0.6%増だ。ちなみに国民民主党は138%増、れいわは71.7%増となっている。
米大統領選のハリス惨敗。米国のベテラン政治家バーニー・サンダースは「民主党は働く人たちを見捨てたため、働く人たちから見捨てられた」と喝破した。
日本の野党の近未来を予言しているようだ。前出の男性は「ハリス大敗北は正当な流れ」と指摘した。
~終わり~