「口蹄疫発生後、日本を離れた赤松農水相が外遊先でゴルフをしていたことが民主党幹部の話で明らかになった」―TBSが20日、朝のニュースで伝えた。
宮崎県での口蹄疫発生を知りながら外遊に出かけた赤松農水相の対応の遅さをめぐっては、地元畜産農家などが厳しく批判している。鳩山首相も対応の一部にまずさがあったことを認めた。
「その赤松大臣が外遊先でゴルフ」となれば辞任は避けられない。筆者はチャンネルを変えて他局のニュースも見たが、どの局もこのニュースを伝えていない。TBSの特ダネだろうか。特ダネだったら他局がすぐ後追いするのだが、いつまで経っても報道しない。
ちょっと怪しいぞと思っていたら、TBSは正午前のニュースで誤報だったことを明らかにし謝罪した。ネタ元の民主党幹部がTBS記者に話した内容は伝聞だったというのだ。裏取りを怠ったTBS記者も未熟だが、民主党幹部はさらにお粗末だ。
今回の誤報で筆者は「永田ガセメール事件」を思い出した。ライブドア事件で揺れていた06年2月、堀江貴文社長が部下に宛てた「(自民党の)武部幹事長の口座に3千万円振り込め」とするメールの“存在”を永田寿康衆院議員(当時)が明らかにしたのだ。ところがこのメールが捏造であったことが間もなく判明。永田氏は議員辞職に追い込まれ、民主党の信用は地に堕ちた。
「赤松農水相のゴルフ誤報」でわかったことは、情報の取り扱いに関する民主党のズサンさは今なお変わっていないということだ。こともあろうに幹部が伝聞を記者に話すのだから呆れる。
今回は「ガセメール事件」のように他党を巻き込んでいないが、もし他党の政治家に関するガセネタだったら、またもや大事件に発展していたであろう。
「外遊先でのゴルフ」は事実無根だった。だが別のスキャンダルはありはしないだろうか。週刊誌の記者は腕の見せどころだ。
*海外在住の皆様も、日本の皆様も、ご自宅から*
オンライン決済サービス Square上で、クレジットカードによる『田中龍作ジャーナル』へのご寄付が可能となっております。
お手元のPCやスマホから手軽に振込めます。面倒な登録は一切ありません。深夜でも可能です。
[田中龍作の取材活動支援基金]*ご自宅から何時でも、24時間 御支援頂けます*
Twitter