民主党の小沢一郎幹事長は24日、参院選に向けたマニフェストに「衆院比例80議席、参院40議席の定数削減」を盛り込む方針であることを明らかにした。
定例記者会見で小沢幹事長が筆者の質問に答えた。現在の議員定数は衆院480議席、参院242議席だから、かなり大幅な削減目標だ。
民主党には国民の関心を引くような目標を掲げなければならない事情がある。財政運営をはじめとする経済政策に不信を持つ有権者が少なくないからだ。それは世論調査の数字などにも表れている。
財政規律を回復し活気を取り戻しつつある自治体は、首長、議員、役場の職員自らが身を切るような賃金カットを断行している(5月5日から連載した拙稿『雇用を生む島( 田中龍作ジャーナル)』を参考にされたい)。
自治体も国家も財政健全化のためには経費削減を欠くことができない。ところが国はそれが全くと言ってよいほどなされていない。議員定数削減は手付かずだ。昨夏の総選挙でマニフェストに掲げた公務員の給与20%削減についても、当事者の公務員労組(官公労、自治労)が自らの給与を減らそうなどというつもりはサラサラない。
「民主党では財政は危うくなるし、まして経済成長など期待できない」。危機感を抱く有権者が「みんなの党」に走っている。「みんなの党」の街宣に耳を傾ける有権者から返って来るのは、民主党の財政運営に対する危機感だ。とりわけ「民主党が、公務員改革に手をつけられるはずがない」という答えが主流を占める。
筆者は上記を指摘し、民主党の「財政健全化」「成長戦略」について小沢氏に聞いた。小沢氏は「(指摘は)ある意味事実。自分たちを含めてムダを省かなければならない」としたうえで大幅な議員定数削減と議員歳費削減を「マニフェストで謳いあげる」と答えた。
自らが乗り気でない政策については「聞いていない」と素っ気ない小沢氏が、明白に「 謳いあげる」と答えるのは珍しい。ただ公務員の給与削減については触れなかった。民主党のタブーなのだろうか。
政権与党民主党のマニフェストは今週中にも「マニフェスト企画委員会」が取りまとめ「政権公約会議」に提出する。参院選は6月24日公示であることから、印刷期間を考慮すると、政権公約会議は来週中にもマニフェストを書き上げるものと見られる。
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