きょうは「反安倍デー」。午後1時、全国各地各所で「アベ政治を許さない」のポスターが掲げられた。(呼びかけ人:作家・澤地久枝さん、瀬戸内寂聴さんら)
会場に行けない人は自宅の壁に貼った。ベビーカーに吊り下げた。カバンに貼って街を歩いた・・・
新宿区信濃町では、市民団体(反安保実行委員会)が公明党本部前で「アベ政治を許さない」を掲げようとしたが、警察に阻止された。
公明党を抗議対象に選んだのは安倍政権の暴走を支えているのが公明党だからだ。
実行委の一人は「60日ルールで衆院に戻された時、公明党議員を8人以上棄権させれば、3分の2取れなくなる(※)。廃案に追い込める」と戦略を語った。
東京都内だけでも会場は10指に余った。「どこに行こうか迷ったけど、ここに来た」。公明党前を選んで埼玉から信濃町まで駆けつけた女性もいた。
「公明党になんとかブレーキをかけたくて来た。銀座や国会前は他の人がたくさん行くだろうから」と話す。
市民たちの思いは、しかし、警察に阻まれた。公明党本部手前の路地で警察がピケを張り、一行を通せんぼした。
「通せ」「通さない」の押し問答が、30分間に渡って続いた。警察はピケを3重に張り、ひとっこ一人通さなかった。
代表2人が公明党本部前まで行くことを許可された。2人は「(公明党は)憲法破壊、民主主義破壊であることを自覚して下さい」などと記した申し入れ書を警備会社のガードマンに手渡した。
銀座四丁目の歩行者天国には、開始時刻の10分くらい前から数人が集まりだした。和光の時計台が午後1時の鐘を鳴らすと、近くにいた男女たちが一斉に「アベ政治を許さない」プラカードを掲げた。
「(銀座に来たのは)一般の無関心層に対するアピールだ。今アベ政治に反対しなかったらいつ反対するのか」と70代の男性は語る。
80歳近い女性は娘と参加した。森ガール風の青いワンピースを着こなす上品な おばあちゃん だ。9歳の時、疎開先で終戦を迎えた。
「東京は焼け野原でなんにもなかった。民主教育を受けた時、父親から『民主主義は多数決で止めることができる』と教えられた。大事にしなきゃ」
「70年で歴史ってこんな風になるんだ。私の目の前でやってくれるとは思わなかった。死ぬのに心配事が増えちゃった」。おばあちゃん は眉をひそめた。
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