イスラエル国会(クネセット)は28日、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の活動を禁止する法案を可決した。
イスラエルにとって国連は屁でもないのだ。ネタニヤフ首相は国連のグテレス事務総長を名指ししながら「国連はレバノンから撤退すべきだ」と言い放った。13日、自らの執務室からスピーチしたのである。
メルカバ戦車で重武装したイスラエル軍にとって、武装で劣る国連軍は正面の敵ではない。
48カ国1万200人から成るUNIFIL(国連レバノン暫定駐留軍)はレバノン南部で停戦監視を続けている。
拠点は駐屯地から監視塔まで大小合わせて約100ヵ所もあり、イスラエル軍の動きをウォッチしている。イスラエルにとっては目障りで仕方がない存在である。
イスラエル軍は9日、南部ナクラで監視塔を砲撃し、10日には別の拠点にメルカバ戦車を突入させた。明らかに国連に対する威嚇だ。
イスラエル軍がUNIFILを目の敵にするのには理由がある。ヒズボラがUNIFILの拠点を盾にしていると見ているのだ。イスラエル軍は「国連の先にヒズボラがいる」と明らかにしている。
ヒズボラを叩けばUNIFILを巻き添えにし、国際社会を敵に回すことになる。イスラエルにとって国連自体は屁でもなくても、UNIFILに部隊を出している当事国が、死者を出すような大きな被害に遭えばタダでは済まなくなる。それが中国などの大国だったらどうなるか。
ヒズボラの巧妙な戦術と国連の矜持がイスラエル軍の進軍を阻んでいる。これが現状だ。
とはいえ22日には南西部Dyraの監視塔を守っていたUNIFILの部隊が撤退した。蟻の一穴とならねばよいが。
~終わり~
【読者の皆様】
大借金をしてレバノンまで来ております。
アラブの民を虫けらのように殺し、国連軍まで攻撃するイスラエルの狂気を見届けたいのです。
とはいっても滞在資金が底を突きかけています。