東池袋公園の炊き出しは生活困窮者にとって命綱となっている(毎月第2・4土曜日/主催:NPO法人TENOHASI)。
きょう9日も弁当を待つ人々が公園を埋め尽くした。
主催者が用意していた500食は配布開始から35分ではけた。25人が弁当にありつけなかったため、グルメ券でカバーした。
炊き出しのある日には公園の一角に青空理髪店がオープンする。無料だ。
理髪店の主は27年間、池袋で路上生活者(ホームレス)の頭髪を無料で刈ってきた。「頭が汚いと仕事が見つからねえ」が持論だ。
至言である。髪の毛が伸び放題、ボサボサの頭で求職の面接に行けば、即座にはねられるだろう。
店主はスムーズにバリカンを走らせながら要領よく刈ってゆく。カメラで追っているうちに店主の左手には小指がないことに気づいた。
店主は「俺はヤクザだったんだよ」と自嘲的な笑みを浮かべながら“自己紹介”した。散髪店を閉じると、店主は炊き出しの列に並んだ。
いろんな人がいろんな事情で食えなくなっている。五百人五百話だ。
~終わり~
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