「紙の保険証をなくさないで」。医療現場と利用者からの悲鳴と怒号が日本中に響く。
20日、立憲民主党が保団連(全国保険医団体連合会)と政府(厚労省、総務省、デジタル庁)から事情を聴いた。
職場が変わり国保に切り替わったら、マイナ保険証で無資格と表示された。
結婚して姓が変わったらマイナ保険証に反映されていなかった。
二つのケースとも数カ月以上前に国保で変更手続きを済ませていたにもかかわらず、である。紙の保険証を持っていたため本人確認ができ、かろうじて10割負担を免れた。
両ケースとも大阪府守口市の開業医からの報告だ。
東京では警察沙汰になるトラブルも起きている。マイナ保険証の顔認証で本人確認ができず、暗証番号も覚えていなかった。
患者が紙の保険証を持っていなかったため、病院側が10割負担となることを説明したところ、大声で騒ぎ立てたことから、警察官を呼ぶ事態となった。保団連からの報告である。
トラブル続きのため病院側、患者側ともにナーバスになっているのだ。トラブルの原因はデジタル庁のみぞ知るところであり、マイナ保険証システムを押し付けられた病院に責任はない。
田中は紙の保険証を大事に保持している。今後、紙の保険証、本人確認証とも廃止になり、保険料を払っているのにもかかわらず、病院の窓口で「10割負担です」などと言われたら、暴れるだろう。同様の騒ぎは全国で頻発することが予想される。
マイナンバーカード問題に詳しい杉尾秀哉議員が厚労省を追及した―
「国民の健康とか国民の安全安心を守る厚労省がこれだけ国民に不安を与えている。いま本当に厚生労働省の存在意義自体が問われている」
「今の紙の保険証でもオンラインの資格確認証にアクセスできる。今は繋がらないようになっているが、レセプトや投薬情報も繋ごうと思ったら繋げられる。
敢えてやってないのはマイナ保険証の方に誘導するためにしているとしか思えない」。
厚労省の回答は当たり障りのない霞が関文学をツラツラと述べるだけでまったく内容がなかった。
政治が変わらない限りマイナ保険証をめぐるトラブルは続く。
~終わり~
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