開戦から31日目、3月28日。
27日午後11時30分頃、キエフ近郊のベッドタウン、サフィースカヤ・バルシェゴフカ市上空に、ロシア軍が発射したと見られるミサイルが飛来した。
ミサイルはウクライナ軍の防空システムによって迎撃されたが、6つに大破した破片が落下、爆風で住宅群を破壊した。窓ガラスは割れ、壁が崩れ落ちた。1人死亡、ケガ人の数は不明。
現場は首都中枢から南西に12㎞。中層アパートが数十棟連なる。日本の団地とほとんど同じ風景が広がる。
爆風の影響が広範であることに驚く。被害を受けたアパートから100m以上離れた別のアパートも窓ガラスが割れ、壁が崩れ落ちるなどした。
大破したミサイルの破片が、爆風と共に無数の小さな鉄片となって八方に飛び散るのである。
自宅の窓ガラスが割れたエレナさん(20代女性)は「地震のように揺れた」と爆風の凄まじさを語った。
ミサイルを迎撃しても破片が落下し、爆風と無数の鉄片が住宅を広範囲に破壊し、住民を殺傷する。
これが戦場だ。
日本政府が高額の予算を費やして「パトリオット」だのを購入し、それが見事ミサイルを迎撃しても、万有引力の法則に従って破片は地上に落下してくるのである。結果は上記サフィースカヤ市と同様だ。
そこで登場してくるのが「敵基地攻撃ナンチャラ」だ。陸上の基地ならともかく、潜水艦から発射するミサイルをどうやって先制攻撃するのか?
戦争のリアルを知らない日本のタカ派議員こそ平和ボケである。
~終わり~
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