開戦から30日目、3月27日。
NATOの武器弾薬・情報提供はともかく。ウクライナ軍善戦の秘密はこんな所にあった―
24時間態勢で1日8,000食を提供する野戦食堂はキエフ市内の一角にあった。150人のボランティアスタッフが3交代で回す。
軍、領土防衛隊、病院、生活困窮家庭に暖かい食事が届く。無料だ。軍の場合、前線のチェックポイントまで届けるという。配送のボランティアも命懸けである。
野戦食堂は押しも押されもせぬ軍事機密である。正式な住所を明かすと砲撃の対象となるため、明かされず、随分と手前から領土防衛隊の兵士が取材車に同乗し目的地まで連れて行ってくれた。
土のうと古タイヤが積まれ砦のようになっていた。水色と黄色のウクライナ国旗が、まだ冷たい3月の風にはためいていた。言われなくても野戦食堂だと分かった。
砦の戸を開けて中に入ると、ボルシチスープの香りが鼻孔を刺激した。
軍隊が煮炊きに使う炊事車が3台。存在感を示していた。1台はジャガイモを煮ていた。
砦の中には玉ねぎ畑まであり、スタッフが土の手入れをしていた。食料供給体制は本格的である。
野戦食堂がオープンしたのは2月24日。そう。開戦の日である。夫婦2人で細々と始めたのが、次から次へと人が集まってきて、現在の150人まで膨らんだ。
食材の仕入れは寄付で賄う。「資金不足が最大の悩み。戦争が長引くと仕入れの金がなくなる」。野戦食堂の運営スタッフは頭を悩ます。
「腹が減っては戦ができぬ」。兵站が滞り食料不足さえ囁かれるロシア軍を尻目にウクライナ軍は攻勢を続ける。
~終わり~
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「野戦食堂」寄付先:
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Ovcharenko Kostyantyn Mykolayovych
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For “Field kitchen B50”