【キエフ発】前線に峠の茶屋 押し戻すウクライナ軍

峠の茶屋にて。美談にするつもりはないが、紅茶を待つ戦士の顔がほころんでいた。明日をも知れぬ運命にあって束の間の憩いなのだろう。=19日、イルピン入り口 撮影:田中龍作=

 開戦から24日目、3月19日。

 義勇軍が入ったのか。それとも強力な兵器が欧米から届いたのか。ウクライナ軍が押し戻した。

 2日前に来た時よりもウクライナ軍のフロントラインが北に移動した。「パン・パン・パン・パーン」…同軍の発砲する位置が200mくらい北上しているのである。

 2日前のフロントラインは今よりも南側つまりキエフ市境間近の地点にあった。

 イルピンは遠からず落ちる、と悲観した根拠でもあった。

 ロシア軍は戦車からの砲撃で応戦していた。「ドン・ドン」くぐもった砲声は戦車特有のそれだ。

救急車が避難民を乗せて走る。真っ先にロシア軍を迎え撃つ砦は増強工事が進んでいた。峠の茶屋はこの砦から100mと離れていない。=19日、イルピン入り口 撮影:田中龍作=

 イルピンの入り口(住所はキエフ市)に時代劇に出てくる峠の茶屋のようなテントがある。

 領土防衛隊の戦士、イルピンからの避難者、地元住民にコーヒー・紅茶や食料が振る舞われるのだ。無料である。

 戦争で仕事ができないため、地元住民は食えなくなっている。炊き出しである。戦争は貧困の製造機なのだ。

 「茶屋」を支えるのは地元の主婦たちだ。砲声と銃声が間断なく響くなか、彼女たちは顔色ひとつ変えず、お茶を入れたり食事を提供したりする。

 「怖くないか?」と聞くと「怖くない。慣れているから」と笑顔で答えた。

峠の茶屋全景。地元の主婦たちが中心になって運営する。=19日、イルピン入り口 撮影:田中龍作=

 イルピンに向かう途中、田中はウクライナ軍の基地に立ち寄った。これから前線に送り出される兵士たちの表情が、ぜんぜん暗くないのだ。

 「オー・ジャパン」と言って田中にグータッチを求めてくる兵士もいるほどである。

 広報官に「ロシア軍が首都に侵攻してきたらどう戦うか?」と質問した。広報官は「防衛線は3段になっている」と明かした。

 上述したように防衛線の第一段目が持ちこたえている。

 この戦争は先が見えない。「プーチン大統領が戦術核を落として終結」などということだけは避けてほしい。

  ~終わり~

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

ウクライナ