パラリンピックへの学童動員が懸念されるなか、杉並区の田中良区長が、橋本オリパラ組織委会長、萩生田文科大臣らに、区内の児童・生徒がオリパラ観戦できるよう、要請していたことが分かった。
要請文書は田中良・杉並区長名で7月21日、発出されていた。
政府が無観客を決定した13日後、東京都教育庁が学童動員の中止を決めた12日後だ。田中区長が学童の観戦に前のめりになっていたことがうかがえる。
要請文書は―
「児童・生徒はこれまでのオリンピック・パラリンピック教育の集大成として観戦を心待ちにしており、競技場で直接観戦することは教育的にも意義ある活動と考えている」として、「競技の観戦の機会を作って頂けるようお願い申し上げます」となっている。
オリンピックが無観客になったことを受けて東京都教育庁は学校連携観戦を中止した。文書は都教育庁に向けても送られており、田中区長は中止の再考を求めている。
田中区長による政府への要請は、子供の命と健康に関わる問題であるにもかかわらず、区民には知らされなかった。区報にもHPにも載せられなかったのである。
杉並区総務課によると、同課は7月27日に区議会議員にメールで情報提供した。
元中学校教員の小関啓子さんがそれを知り、5日、仲間と共に区長室を訪れた。田中区長は不在だったため、区長室の職員に質問状を手渡した。
質問は「現在の感染状況の中でも要請を撤回するつもりはないか?」「8月1日付『広報すぎなみ』には載っていないが、区民には知らせないのか?」など6項目からなる。
菅首相は8月24日開催予定のパラリンピックでは有観客を目指している。有観客となれば児童・生徒が動員される可能性は高まる。オリンピックが終わったからといって気を緩めてはならない。
住民の命と健康を預かるはずの首長が、率先して子供を危険なオリパラに差し出す。親たちが知ったら、どう思うだろうか。
~終わり~
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