「先週あたりから、20代と30代の感染者が凄い勢いで出てくるようになった。ほとんどが感染力の強いデルタ株」。
こう話すのは都内の診療所を掛け持ちし、訪問診療にも出かけるA医師だ。A医師は話を続けた―
「彼らの多くは親と一緒に住んでいる。親は40代から50代だ。感染すると重症化しやすい」。
「来週あたりから40代から50代の重症者がドーンと出てくるのではないか」。
「そうなったとしても、病床の逼迫により、重症者であっても入院できないケースが多発する」。
小池都知事は「第3波の時と比べ重症者が少ない」(7月30日、記者会見)と楽観してみせたが、深刻な事態が水面下で進んでいるようだ。
こんなケースがあった―
20代の男性は隣席で働く会社の同僚が陽性となった。にもかかわらず保健所は濃厚接触と認めてくれなかった。
3万8千円を自費で払ってPCR検査を受けたところ、陽性だった。同居する父親はホテルに避難した。
金があれば早期に発見でき家庭内感染を予防できるが、金のない層は家族共々感染する。親の世代は重症化しやすい。地獄の沙汰も金しだいのなのだろうか。
これまでの医療崩壊と違うのは東京の場合、家庭への訪問診療にも行けなくなることだ。まさしく見殺しである。
A医師は「訪問診療に行こうにも保健所が陽性者を完全にフォローアップできていないので手段がない」と嘆いた。感染者の数が多すぎて保健所は手が回らないのだ。
今年5月、北海道で医療崩壊が起きた時、A医師は応援に派遣された。酸素濃縮器を持って感染者の家庭まで訪問診療に行けた。
だが今回、東京はそれが不可能だ。助かる命が助からなくなるのである。
「医療崩壊しないためには予防しかない。オリンピックは即刻やめてほしい」。A医師は祈るように言った。
~終わり~
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