オリンピックの中止を求める市民120人が、きょう16日夕方、選手村と五輪組織委員会にデモを掛けた。
デモ隊のなかに白衣を身にまとった参加者がいた。女医と看護師だった。2人とも迫り来る医療崩壊に強烈な危機感を抱いていた。
女医は羽田空港近くの総合病院に勤務する。発熱外来が担当だ。「ここ一週間前から患者が増えるようになった」「毎日1人はPCR陽性が見つかる」と話す。
海外からメディア、選手、大会関係者が、羽田空港に一定規模で到着し始めたのと時期が重なる。
患者は「飲食店店員など空港内の労働者」という。
彼女は5月下旬から、医療が危機的な状況にあった北海道に応援に行った。札幌でコロナによる在宅死が相次いでいた頃だ。
札幌は五輪のマラソン会場となっている。5月5日にテスト大会があった。外国人選手が参加し、人流も増加した。
5月末、彼女が受け持っていた江別市で一人暮らしの老女がコロナに感染した。だが入院施設はなかった。
「オリンピックのマラソン・テスト大会がコロナの感染拡大をもたらした」。女医は現場での体験で確信する。
「オリンピックに入ったら対応できない。今やることはコロナの予防。オリンピックは絶対やめなきゃダメ」。彼女は警告を発するように言った。
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