「ぼったくり男爵」と「マダム回転ずし」が、きょう15日、都庁で面談した。緑のタヌキと五輪のキツネ。2人とも本領を発揮した。
小池都知事は、まるで彼氏に甘ったれるような声で「世界中の人々を興奮させてくれるスポーツの力を信じています」とくすぐった。
そしてコロナ禍のオリンピックで疲弊する都民を気遣ってみせた。「コロナとの戦いのなか、大会を通じてサステイナブル(=持続可能)なリカバリーをつなげてゆきたい」。
来日した時、「緊急事態宣言とは何か」などとうそぶいたバッハIOC会長だったが、日本以外の海外メディアを通じて、オリンピックが感染拡大につながっていることを、少しは意識し始めたのだろうか。
都民に恐怖を与え感染拡大をもたらしているにもかかわらず「あらゆるリスクを避けて東京の皆様の安全に貢献したいと思った」と心にもないことを言った。
とはいえ、話を続けるうちに地金が出た(太字はバッハ発言)―
選手村のアスリート、コーチ、役員の85%はワクチン接種を済ませて日本に来ている。
メダルを授与する役員は全員がワクチン接種済み。全員マスクをする。メダルは首にかけずトレーに乗せて授与する。
東京発のパンデミックを考えれば、「メダルをトレーに乗せる」なんぞは小手先の対策にもならない。滑稽だ。
アスリートたちと接触する人たちも毎日検査を受ける。
選手村の他の住民にも、日本の人たちに対してもリスクはゼロと言える。
我々は同じ船に乗っている。
海外から来日した選手、大会関係者、メディアを泡で包み込み、外部と遮断するバブルは、すでに穴だらけであることは、常識となっている。
ワクチンを打っていようが、毎日検査をしようが、ウイルスを保有していないことの証明とはならないのだ。夥しい数のボランティアが選手村の外と公共交通機関で行き来する。ウイルス撒き散らし状態なのだ。
来日したメディア関係者はコントロールが効かない。
英国人ジャーナリストたちは空港の到着ゲートをくぐったとたん、日本人客と同じ喫茶店でコーヒーを飲んでいた。
「日本の人たちに対してもリスクはゼロと言える」は、科学を知らないのか、それともダマシか。
「ぼったくり男爵」の言いザマは、コロナに苦しむ私たちの神経を逆撫でするに十分だった。
~終わり~
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