立憲の枝野代表と国民の玉木代表が、きょう(17日)午後一番、打ちこぞって連合会館詣でをした。神津会長に国会閉会の報告と近づく総選挙への協力をお願いしたのである。ここまでは恒例行事だった。
神津会長への挨拶を終えると、枝野代表は囲みの記者会見に応じ「共産党との連立政権はないと連合の会長や執行役員にお伝えした」と明言。共産党嫌いの御主人様に擦り寄ったのである。
15日の衆院本会議で枝野代表は「税率5%への消費減税を目指す」と打ち上げたが、世の反応は今ひとつだった。
きょうの囲み会見でも消費税について記者団に突っ込まれた。
記者:選挙に臨むにあたって有権者は「立憲民主党は5%減税を約束してくれるんだ」と思ってよいか?
枝野:それは皆さんミスリードしないで頂きたいですが、法律を改正しなければいけない。今参議院は自公で過半数を持っています。来年の参議院選挙、あるいは半数改選ですので4年後までなかなか採決法案は通らない可能性があります。
そこで提起したのは時限的な緊急対策でありますので、4年後の参議院選挙でねじれを解消した時にはもう意味がない話でありますので、我々としては政権がとれましたら、野党に対して協力を求める、ここまでは明確にお約束できます。あとは、自民党や公明党のご協力を得られるかどうかということです。(枝野発言ママ)
普通の国民がこれを聞いて分かるだろうか?知己の新聞記者にも「分かるか?」と尋ねると、記者は首を傾げた。
枝野サンは政権交代した2009年頃の情勢と勘違いしているのではないだろうか。
民主党の支持率は19.9~42%あった(NHK政治意識月例調査)。自民党に肉薄し、政権奪取した翌月の支持率では自民党を上回った。
ところが2021年、立憲民主党は5.4~6.3%しかない(同調査)。自民党にはるか及ばないのだ。
政権交代に共産党の選挙協力は欠かせない。政権交代前夜、民主党の小沢幹事長と共産党の志位委員長は固い信頼関係で結ばれていた。今から考えると夢のようだ。
かりに立憲と共産の間でうわべの選挙協力ができたとしても、共産党支持者は寝たままだろう。
コロナ禍で国民が日々の生活に苦しむ中、肝心の消費税について、枝野サンは明確な発言を避ける。
人々をして「立憲に入れよう(投票しよう)」と思わせない限り、政権交代はありえない。
枝野サンが党首でいる限り自公政権は安泰だ。きょう17日は、それを確信する日となった。
~終わり~
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